SAGA DX リーダーズ事例藤津碍子株式会社- まずは、藤津碍子様の企業概要を教えてください藤津碍子株式会社(本社:佐賀県鹿島市)は、電力インフラを支える碍子(がいし)製品の製造・販売を行っている企業です。創業は1941年で、法人化は1948年。創業から数えると85年の歴史があります。祖父が創業し、若くして亡くなった後は祖母が事業をつなぎ、その後父、そして私へと引き継がれてきました。世代としては3世代目ですが、社長としては4人目です。事業の柱は大きく2つあります。1つは、碍子(がいし)の製造です。碍子とは、電気を通さず、電線や設備を安全に支えるための重要な製品で、主に電力インフラを支える役割を担っています。当社では、主に電力業界で使用される碍子を製造しており、電柱に取り付けられる比較的小型の低圧用碍子から、33kVクラスの高圧用碍子まで幅広く製造しています。碍子は電柱だけでなく、高圧機器の部品として使われることもあり、機器メーカー向けにオーダーメイドで製造する製品もあります。もう1つは、電力設備関連機器の商社機能です。電力会社や電気工事会社との長年の取引の中で培ってきたネットワークを活かし、電柱周りに設置される各種機器を、全国のメーカーの代理店として販売しています。-SAGA DXリーダーズに参加したきっかけを教えてくださいもともと、DXやAIといった分野には比較的関心がありました。「できれば効率よく業務を進めたい」という思いがあって、良さそうだなと思うツールがあれば、まず自分で触ってみる、ということは以前からやっていました。BIツールやRPAも、9年ほど前から使っています。BIツールについては、週末に自分で会社のデータを触ってみて、「これは分析しやすいな」と感じたのがきっかけでした。自分で使ってみないと、何ができるのか、どれくらい便利になるのか分かりませんし、コストに見合うかどうかも判断できないと思っています。SAGA DXリーダーズについては、生成AI系のセミナーなどを拝見したのがきっかけだったと思います。学びの場として参加してみようと考えました。(写真:第7回 SAGA DX リーダーズイベントの様子)-参加当時はどのような課題感をお持ちでしたか?一番の課題は、会議の生産性でした。会議そのものだけでなく、議事録を作ったり、会議で出たタスクを管理したり、その後のフォローまで含めると、かなりの負担になっていると感じていました。特に製造現場では、ものづくりの技能は非常に高い一方で、パソコンで議事録を作ることが本来の仕事ではありません。文章を書くのが得意な人ばかりではない中で、「ここが分かりにくい」「ここが抜けている」と指摘するのも、お互いにストレスになります。今はツールが発展している時代なので、苦手な作業はツールに任せて、本来やるべき仕事に集中できる環境を作った方が、生産性も上がるのではないかと考えていました。-課題解決につながる出会いやインプットは得られましたか?とても有益でした。正直、自分一人で調べようとすると、「どこから手を付ければいいのか分からない」という状態になりがちです。SAGA DXリーダーズでは、実際に経営をされている方々が、どんなツールを使って、どう感じたのかを直接聞くことができました。「みなさんもこんなに使っているなら、うちも試してみようか」と思えたのは大きかったですね。DXや生成AI活用が、特別な企業だけのものではなく、確実に広がってきているという実感を持てました。(写真:会議体を見直し生成AIで効率化する 会議の生産性向上プロジェクトの様子)- 実際に取り組まれたことを教えてくださいまず取り組んだのは、会議とコミュニケーション周りの改善です。電話については、Zoom Phoneを導入しました。社内通話はZoom Phoneへ全面的に切り替えています。電話内容の要約が自動で残るので、「この電話、何の話だったっけ?」という時にすぐ振り返れるのは助かっています。会議については、Zoomの文字起こし機能と、AI議事録ツール(Plaud Note)を並行して試しています。同じ会議で両方の議事録を共有して、「どちらが使いやすいか」を見ている段階ですが、今の感覚ではPlaud Noteの要約精度はかなり高いと感じています。現場からは「こんなことができるのか!」と驚かれることが多かったですね。実際に使ってもらう中で、「これはすごい」「もっと早く広げてほしい」といった声が上がるようになってきました。- 今後の展望について教えてください今後は、議事録の要約やタスク整理といった部分を、さらにAIやツールで支援していきたいと考えています。議事録を作る時間よりも、会議で決まったことを実行する時間に、より多くの時間を使いたいからです。Microsoft 365の全社展開も進めていて、Plannerなどを使ったタスク管理・進捗管理の可視化の取り組みもはじめています。会議 → 要約 → タスク化 → 進捗管理、という流れを自然につなげていきたいですね。最終的には、AIやシステムに任せられる仕事は任せて、人が向き合うべき仕事――現場でしか分からないこと、お客様との信頼関係づくり、判断や創意工夫が必要な仕事に、しっかり時間を使える会社にしていきたいと思っています。便利なツールが増えたからこそ、「人がやるべき仕事は何か」を改めて見つめ直す。DXは目的ではなく、人が本来やるべき仕事に集中するための手段だと考えています。事例企業:藤津碍子株式会社本店住所:〒849-1313 佐賀県⿅島市⼤字重ノ⽊甲245-1事業内容:碍⼦の設計・製造、および配電⽤機材の代理店販売取材にご協力いただいた方:藤津碍子株式会社 代表取締役社長 円田 圭亮 様